人生はちょろい

私は人生において打たれたことがない。

古い記憶は小学生の頃。

学芸会で主役の座に立候補。20人の候補者から3人が選ばれる。その中でも、一番人気は劇のクライマックスでの長台詞の担当。

クラスメイトの前での大演説の末につかみとった。

 

中学受験は、4年生から始めた塾通いのおかげもあってか第一志望だった中学校に、特待生として入学することができた。

学内での成績は思わしくなかった。部活動は陸上部に所属するも実態はただ放課後に集まってべらべらしゃべるだけ。

高校はエスカレーターでそのまま進学し、気づけば受験生になっていた。

なんとなくみんな行ってる予備校に通い始めて、ただ東京の私学に行きたい、という思いでなんとなく志望校を決めた。

 

一応勉強はした。きっと人並みか、それ以上には。自分の中では特に辛くもなかったが、かといってさぼってはいなかったと思う。

 

結果は滑り止めから記念受験にうけた大学まで全通。センター試験の結果は過去問で一度もだせなかった9割超え。

こんなことある?親と一緒にぽかんとした。

 

そして迎えた就職活動。こればっかりは私の運を持ってもどうにもならない。

なんならココで頭打っといた方がいいよ、なんて言聞かせながら望んだ。

 

結果第一志望だった会社から無事内定をいただいた。

そこの面接が一番最初だったから、最初で最後の選考だった。

 

 

なんだこれ。人生こんな簡単でいいのか。

 

 

 

 

でも私は知ってる。

挑戦しないから頭を打たないだけ。

いつも自分の実力のちょっと下を意識的に選択して、さもそれが最初からの望みでした、みたいな顔してる。自分で頭下げてたら、そりゃ打たない。

 

このまま一生打たれることから逃げられるとは思えない。

私は自分がいつか打たれる時が怖い。ぽっきりと折れてしまいそうだから。

人生が簡単なんじゃなくて、自分が逃げているだけ。

その事実を自分だけは忘れてはいけない。なめんな。